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Ⅶ. 保険診療に関するその他の事項
5. サービス等に対する実費徴収について
(1) 「療養の給付と直接関係ないサービス等」の費用の徴収について
患者に対し、保険診療における療養の給付と直接関係のないサービス等を提供し、その費用を患者から別途徴収することについては、一定の範囲内で認められており、サービスの範囲や運用上の留意事項等が通知により示されている。
これらのサービスを提供し、その費用の徴収を行おうとする場合には、一つの診療科や病棟のみ判断するのではなく、個々の事例ごとに、請求事務部門等に事前に相談し、費用の徴収の可否を確認した上で運用を開始するべきである。
[費用の徴収に必要な手続き]
① 保健医療機関等内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に、費用徴収が必要となるサービス等の内容や料金について、患者に分かりやすく掲示する。
② 費用徴収が必要となる場合には、患者に対し、サービスの内容や料金等についてきちんと説明し、文書により同意を確認の上で徴収する。
③ 徴収する費用については、社会的にみて妥当適切なものとする。
④ 患者から費用徴収した場合には、他の費用と区別した内容のわかる領収証を発行する。「お世話料」「施設管理料」「雑費」等の曖昧な名目での費用徴収は認められない。
(2) 療養の給付と直接関係ないサービス等の具体例
[療養の給付と直接関係ないサービス等]
1. 日常生活上のサービスに係る費用
① おむつ代、尿とりパット代、腹帯代、T字帯代
② 病衣貸与代(手術、検査等を行う場合の病衣貸与を除く。)
③ テレビ代
④ 理髪代
⑤ クリーニング代
⑥ ゲーム機、パソコン(インターネットの利用等)の貸出し
⑦ MD、CD、DVD各プレイヤーの貸出し及びそのソフトの貸出し
⑧ 患者図書館の利用料 等
2. 公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用
① 証明書代
(例)
・ 産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書
・ 生命保険等に必要な診断書等の作成代 等
② 診療録の開示手数料(閲覧、写しの交付等に係る手数料)
③ 外国人患者が自国の保険請求等に必要な診断書等の翻訳料 等
3. 診療報酬点数表上実費徴収が可能なものとして明記されている費用
① 在宅医療に係る交通費
② 薬剤の容器代(ただし、原則として保険医療機関等から患者へ貸与するものとする。) 等
4. 医療行為ではあるが治療中の疾病又は負傷に対するものではないものに係る費用
① インフルエンザ等の予防接種
② 美容整形(しみとり等)
③ 禁煙補助剤の処方等
(ニコチン依存症管理料の算定対象となるニコチン依存症(以下「ニコチン依存症」)以外の
疾病について保険診療により治療中の患者に対し、スクリーニングテストを実施し、ニコチン
依存症と診断されなかった場合であって、禁煙補助剤を処方する場合に限る。) 等
5. その他
① 保険薬局における患家への調剤した医薬品の持参料
② 日本語を理解できない患者に対する通訳料
③ 他院より借りたフィルムの返却時の郵送代
④ 院内併設プールで行うマナニティースイミングに係る費用 等
[療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの]
1. 手技料等に包括されている材料やサービスに係る費用
① 入院環境等に係るもの
(例)
・ シーツ代
・ 冷暖房代
・ 電気代(ヘッドホンステレオ等を使用した際の充電に係るもの等)
・ 清拭用タオル代
・ おむつの処理費用
・ 電気アンカ・電気毛布の使用料
・ 在宅療養者の電話診療
・ 医療相談
・ 血液検査など検査結果の印刷費用代等
② 材料に係るもの
(例)
・ 衛生材料代(ガーゼ代、絆創膏代等)
・ おむつ交換や吸引などの処置時に使用する手袋代
・ 手術に通常使用する材料代(縫合糸代等)
・ ウロバック代
・ 皮膚過敏症に対するカブレ防止テープの提供
・ 骨折や捻挫などの際に使用するサポーターや三角巾
・ 医療機関が提供する在宅医療で使用する衛生材料等
・ 医師の指示によるスポイト代
・ 散剤のカプセル充填のカプセル代
・ 一包化した場合の分包紙代、及びユニパック代 等
③ サービスに係るもの
(例)
・ 手術前の剃毛代
・ 医療法等において設置が義務付けられている相談窓口での相談
・ 車椅子用座布団等の消毒洗浄費用
・ インターネット等より取得した診療情報の提供
・ 食事時のとろみ剤やフレーバーの費用 等
2. 診療報酬の算定上、回数制限のある検査等を規定回数以上に行った場合の費用
(費用を徴収できるものとして、別に厚生労働大臣の定めるものを除く。)
3. 新薬、新医療機器、先進医療等に係る費用
① 薬事法上の承認前の医薬品・医療機器(治験に係るものを除く。)
② 適応外使用の医薬品(評価療法を除く。)
③ 保険適用となっていない治療方法(先進医療を除く。) 等