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Ⅴ. 医科診療報酬点数に関する留意事項
3. 医学管理・在宅医療
医学管理・・・
● 指導内容、治療計画等の診療録への記載など、算定要件を満たしていなければ算定できない。
→ 算定要件を満たさなければ返還の請求対象となる。
(1) 医学管理料
・ 医学管理料とは、「見えない技術料」である。
・ 処置や投薬等の物理的な技術料と異なり、医師による患者指導や医学管理そのものを評価する診療報酬項目。
・ 項目ごとの算定要件や算定回数制限など注意する。
(2) 算定上の留意点
対象患者に対し、単に指導を行ったのみでは算定できない。指導内容、治療計画等診療録に記載すべき事項が算定要件として、それぞれの医学管理料ごとに定められていることに留意する。
[算定要件の例]
① 悪性腫瘍特異物質治療管理料
・ 悪性腫瘍であると確定診断がされた患者に、腫瘍マーカー検査の結果に基づいた計画的な
治療管理を行った場合に算定できるもの。
・ 単に悪性腫瘍マーカー検査を行ったことのみでは算定不可。
・ 検査の結果、および治療計画の要点を診療録に記載する。
② 特定薬剤治療管理料
・ 対象疾患に対し、対象薬剤を投与した患者について、投与薬剤の血中濃度を測定した結果に
基づき、投与量を精密に管理した場合に算定できるもの。
・ 血中濃度、および治療計画の要点を診療録に記載する。
③ 肺血栓塞栓症予防管理料
・ 肺血栓塞栓症を発症する危険性の高い入院患者に対して、弾性ストッキング、間歇的空気
圧迫装置を用い、必要な医学管理を行う。危険度、管理等は関係学会が作成した「肺血栓
塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血血栓症)予防ガイドライン」を踏まえることとする。
④ 診療情報提供料
(診療情報提供料(Ⅰ))
・ 他の保険医療機関での診療を認め、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合
に算定する。(患者の受診を伴わない単なる経過報告や患者紹介の「お返事」等については、
算定できないことに留意する。)
・ 交付した診療情報提供書の写しを診療録に添付するとともに、紹介先からの照会に対しては
懇切丁寧に対応する。
⑤ 療養費同意書交付料
・ 医師が療養の給付を行うことが困難であると認めた患者に対し、あん摩・マッサージ、はり
及びきゅうの施術に係る同意書または診断書を交付した場合に算定する。(患者の疾病又は
負傷が自己の専門外にわたるものであるという理由で診断・治療を行わずに、みだりに同意を
与えることはできない。)(療担第17条)
・ 各施術の対象疾患については、以下のとおり、対象疾患が限定されている。(柔道整復に
ついても、応急手当を除く骨折、及び脱臼については医師の同意が必要であるが、療養費
同意書交付料算定の対象とはならない。)
: はり・きゅうの対象疾患
慢性病で医師の適当な治療手段のないもの
・ 主として、神経痛、リウマチ
・ 類似疾患(頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎捻挫後遺症等)
: マッサージの対象疾患
主として、筋麻痺、関節拘縮等に対するもの
(3) いわゆる「自動算定」について
自動算定・・・医学管理料の算定対象となる状態にある患者に対し、医事部門のみの判断で
一律に請求を行うこと。極めて不適切な請求行為であり、不正請求となる。
医学管理料の算定が可能か否かについて、算定要件(対象疾患、記載要件等)を満たしていることを主治医が自ら確認し、算定する旨を医事部門に伝達する必要がある。
[不適切な算定例]
・ 悪性腫瘍マーカーを測定した患者に対して、一律に悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定(医学的管理の必要性、診療録の記載等、個々の事例ごとに算定要件を満たしていることを確認していない)。
・ 医療情報システムを導入している場合に、医学管理料のオーダー項目が存在せず(または医師に周知されてなく)、傷病名、投薬・検査の内容等により一律に医学管理料を算定。
在宅医療・・・
● 在宅療養患者への指導管理についても、指導内容、治療計画等の診療録への記載など、算定要件を満たしていなければ算定できない。
(1) 在宅療養指導管理料
・ 在宅療養患者の医学的管理を十分に行い、在宅療養の方法、注意点、緊急時の措置等に関して、患者やその看護者等に指導を行った際に算定できるもの。
・ 項目ごとの算定要件や算定回数制限など、請求する際に注意する。
[請求上の留意点]
・ 月1回を限度として算定(特に規定する場合を除く)。
・ 2つ以上の指導管理料を一医療機関で算定できない(主たる指導管理料のみ算定)
・ 同一患者に対し、同一月内に、同一の在宅療養指導管理料を複数の医療機関で算定する
ことはできない(主たる医療機関で算定)。
(2) 在宅医療の材料等の費用について
・ 在宅療養指導管理料を算定する場合、その在宅療養を行うのに必要な衛生材料、保健医療材料等の費用や、小型酸素ボンベ、人工呼吸装置等の機材の費用は、原則として当該指導管理料に含まれており、別に算定することができないし、患者から実費徴収することもできない。
・ 在宅療養指導管理材料加算として規定された、一部の衛生材料、保険医療材料等の費用については、指導管理料本体に加え2月に2回に限り算定可能である。
(3) 算定上の留意点
・ 当該在宅療養を指示した根拠、指示事項(方法、注意点、緊急時の措置等を含む)、指導内容の要点を診療録に記載する。
・ それぞれの在宅療養指導管理料ごとに、対象患者や追加記載事項等が算定要件として定められている。また、一部の処置費用の算定に制限があることに注意する。
[算定要件の例]
① 在宅自己注射指導管理料
・ 投与対象薬剤の種類によって、薬剤ごとに、対象となる疾患や投与目的等が限定され、
満たすべき外来診療の頻度等が規定されている。
・ 平成26年度改定では、指導内容を明確化し、1月の注射回数に応じて点数が設定された。
また、導入初期については別に加算を新設した。
② 在宅酸素療法指導管理料
・ チアノーゼ型先天性心疾患以外の疾患については、算定可能な状態が規定されている。
: チアノーゼ型先天性心疾患以外の疾患
慢性呼吸不全
肺高血圧症
慢性心不全 等
: 算定可能な状態
動脈血酸素分圧
NYHA
無呼吸低呼吸指数 等
・ 動脈血酸素飽和度を月1回程度測定し、結果を診療報酬明細書に記載する。
③ 在宅悪性腫瘍患者指導管理料
・ 末期悪性腫瘍患者に対して、在宅鎮痛療法または在宅化学療法を実施した場合に算定でき
るものであり、単なる在宅療養の患者に算定できるものであり、単なる在宅療養の患者に算定
できるものではない。
・ 在宅化学療法については、末期でない悪性腫瘍患者についても、末期悪性腫瘍患者に準じて
取り扱う。