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2 医療機関内における感染対策のための委員会等
院長が積極的に感染対策に関わり、院内感染対策委員会、ICTが中心となって、すべての職員に対して組織的な対応と教育、啓発活動をする。院内感染対策委員会は院長の諮問委員会であり、検討した諮問事項は院長に答申され、運営会議での検討を経て、日常業務化する。ICTは院長の直接的管理下にある日常業務実践チームであり、院長が一定の権限を委譲し、同時に義務をかし、組織横断的に活動する。
(1) 院長
答申事項に関し、運営会議での検討を経て、必要なICTの業務を決定し、日常業務として指定する。
(2) 院内感染対策委員会(ICC)の構成
専門職代表を構成員として以下のとおり組織する。
① 副院長(委員長を務める)
② ICTリーダー
③ 医療安全管理担当者
④ 各診療科部長
⑤ 看護部長
⑥ 薬剤部長
⑦ 臨床検査部長又は臨床検査担当者
⑧ 事務長、その他必要と認められる者
(3) 感染対策チーム(ICT)の業務
① 1ヶ月に1回程度の定期的会議を開催する。緊急時は必要に応じて臨時会議を開催する。
② ICTの報告を受け、その内容を検討した上で、ICTの活動を支援するとともに、必要に応じ
て、各診療科に対して院長名で改善を促す。
③ 院長の諮問を受けて、感染対策を検討して答申する。
④ 日常業務化された改善策の実施状況を調査し、必要に応じて見直しする。
⑤ それぞれの業務に関する規定を定めて、院長に答申する。
⑥ 実施された対策や介入の効果に対する評価を定期的に行い、評価結果を記録、分析し、
必要な場合は、さらなる改善策を勧告する。
(4) ICTについて
① 専任の院内感染管理者として、
・ 認定インフェクション・コントロール・ドクター
・ 感染制御関連大学院修了者
・ 感染管理認定看護師
・ インフェクション・コントロール・スタッフ(ICS)養成講習会修了者
・ 認定感染制御専門薬剤師
・ 感染制御認定臨床微生物検査技師
・ その他の適格者
のいずれかで、院長が適任と判断した者を中心に組織する。
週に1回程度の定期的全病棟ラウンドを行って、現場の改善に関する介入、現場の教育、
啓発、アウトブレイクあるいは異常発生の特定と制圧、その他に当たる。
② 各診療科同様、院長直属のチームとし、感染対策に関する権限を委譲されると共に責任を
持つ。また、ICTは、重要事項を定期的に院長に報告する義務を有する。
③ 上記2-(4)-①に記した専門職を施設内に擁していない場合は、非常勤として、
施設外部に人材を求める。
④ 重要な検討事項、異常な感染症発生時及び発生が疑われた際には、その状況及び患者、
院内感染の対象者への対応等を、院長へ報告する。
⑤ 異常な感染症が発生した場合は、速やかに発生の原因を究明し、改善策を立案し、実施す
るために全職員への周知徹底を図る。
⑥ 職員教育(集団教育と個別教育)の企画遂行を積極的に行う。
(5) その他
発生した院内感染症が、正常範囲の発生か、アウトブレイクあるいは異常発生かの判断がつきにくいときは、厚生労働省地域支援ネットワーク担当事務局、あるいは、日本環境感染学会認定教育病院担当者に相談する。日本感染症学会施設内感染対策相談窓口へのファックス相談も活用する。